民生委員:児童委員:人権擁護委員
民生委員は児童委員を兼ねる 民生委員は、住民のなかから民生委員法にもとづいて各市町村ごとに選任します。
現行法では、児童福祉法に定められた児童委員は、民生委員が兼ねることになっています。
民生委員・児童委員の役目は、担当区域の住民に身近に接し、その要望を関係機関に伝えること、
そして、住民の訪問や相談を通して、人々が地域の中で安心して暮らしていけるよう支援することです。
民生委員としての活動は、たとえば、独り暮らしのお年寄りや障害者などを訪問したり、相談に応じたりするなかで、
さまざまな介護サービスの情報を知らせ、利月日こついていっしょに話し合ったり、適切な申込窓口に紹介したりします。
あるいは、低所得者層に対して、生活福祉資金の貸付などの制度について知らせ、手続きの方法を教えます。
そして、常に行政機関や社会福祉施設と連絡をとり協力しながら、住民が円滑な福祉サービスを受けられるように努めます。
児童委員としての活動は、ひと言でいうと、子どもたちの健全育成を地域ぐるみで支援する、その推進役としての活動です。
活動の柱となるのは個別援助活動、児童健全育成活動、子育て支援活動の3つです。
具体的には、養育放棄や虐待されている子どもを児童相談所に連絡する、子育てのなかで因りごとや悩みをもつ家庭の相談にのる、それに応じて適切な福祉サービスや機関を紹介するなど。
また、なにより、子どもとその家庭が地域の中で孤立しないよう、地域づくり、仲間づくりに取り組んでいます。
憲法で保障されている、国民の基本的人権を守るために配置されるのが、人権擁護委員です。
人権思想の普及についても役割を負っています。
被差別地区問題や男女差別など人権にかかわる問題は根強く、表面化しにくく、また、社会のどこでも起こりうるため、身近な立場で人権擁護を担うのは重要な役目です。
人権問題というのは、それほど特殊なことではなく、立場を違える人間がいる場面では起こりがちです。
特に弱い立場の人が不利な状況に追い込まれることのないよう、その解決や予防にも努めます。
現在、全国には21万300人近い民生委員が活躍しています。
民生委員・児童委員の仕事はデスクワークではありません。
担当区域の住民への家庭訪問、福祉事務所や児童相談所とのネットワークづくりなど各所へ赴いて活動します。
人権擁護委員も、必要に応じていろいろなところへ出かけ活動します。
特定のオフィスがないだけ、人脈とフットワークがものをいう役職といえるでしょう。
1996年現在で1万3,519人の人権擁護委員が各地域で活躍しています。
民生委員・児童委員になるには、20歳以上で選挙権のある人が対象となります。
まず、区域ごとに管轄する市町村長から意見が出され、それをもとに都道府県の知事が推薦し選出されます。
そして、厚生大臣から委嘱されて役目につきますが、ボランティアとしての役目であり、報酬はありません。
活動の性質上、任期は3年と決まっており、3年に一度いっせいに改選が行われます。
資格は特に必要とはされませんが、社会福祉の増進に熱意があり、人格、識見が高く、また社会の実情に広く通じている人、
さらに、児童委員としても適当であることが必要です。
ある程度、人生経験が豊富である人がふさわしく平均年齢は多少高めですが、最近は40代や50代の人も増えてきました。
1994年より「健やかに子どもを生み育てる環境づくり」の一環として、主任児童委員制度ができました。
これは、児童福祉に関する事項を専門的に担当するもので、特に児童福祉について経験豊かな民生委員のなかから選出されます。
現在、約1万4,400人の主任児童委員がいます。
一方、法務大臣の委嘱により決まるのが人権擁護委員。
市町村長が推薦して委嘱を受けますが、その過程で都道府県知事や弁護士会の意見も聞くことになっています。
こちらもかなりの社会経験がないと勤まらない役目であり、
なおかつ「人権擁護」という、どちらかといえば日本ではまだ社会通念の熟さないものの啓発の役目を負うため、人選においては人格と識見が問われるところです。
やはり、原則として無償です。
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