児童福祉司相談員
児童相談所において児童福祉司・相談員は、心身の問題や悩みを抱えた子どもと親などの相談にのり、問題の解決に向けて援助や指導を行います。
ともにケースワーカーとよばれることもありますが、両者の仕事内容はほぼ同じものです。
一般的には、児童福祉司は担当区域をもち、おもに法律上の指導措置を行い、相談員は相談・指導業務などに従事すると理解されています。
具体的には、寄せられた相談内容についてカウンセリングを行ったり、必要に応じた実態調査をしたりします。
相談内容は、家庭内暴力であったり、登校拒否、家出など非行のおそれに関するものであったり、言語の遅れ、自閉症など心身に関する問題まで、多岐にわたります。
場合によっては、子どもを家に帰さずに一時保護することもあります。
そのようなときは、親や児童福祉施設と連絡をとり、話し合いをします。
虐待がエスカレートして子どもの生命が危険と判断したときは、児童養護施設に子どもを入所させることもあります。
また、保護者が行方不明の場合、子どもを里親に預けるといった方法をとることもあります。
不良行為を犯し問題がかなり深刻な子どもについては、児童自立支援施設への入所などを検討します。
一方、障害があって家庭での生活が困難と判断される子どもについては、適当な入所施設への入所の手続きを進めるといったこともします。
いずれも、綿密な調査を行ったうえで適切な措置をとることになります。
措置が決定したのちも、子どもの状況を把握してフォローもします。
たとえば、児童養護施設に入所していた子どもを家庭に戻す場合、親と子どもの調整をはかり、その後のようすを見守る家庭訪問もします。
児童福祉司・相談員の仕事場は児童相談所です。
児童福祉法にもとづく児童福祉行政の機関で、都道府県と政令指定都市では義務設置となっています。
全国に174ヶ所の児童相談所があり、職員数は5,500人近くいます。
児童相談所の役割は、児童の福祉に関する問題について相談に応じる、児童、家庭について調査、判定する、児童、その保護者について必要な指導を行う、
必要ならば児童を一時保護することとなっています。
児童相談所は、おおまかに分けて3つの部門から成り立っています。
そのうち、児童福祉司・相談員が配属されるのは次の2つのセクションです。
まず、相談・措置・判定部門といって、子どもや親、または学校や福祉事務所などから寄せられた相談を受けるところです。
問題解決のための援助、指導、措置を決定します。
もう一つは一時保護部門といって、家出した子どもや、養育放棄や虐待に遭っている子どもを緊急に保護します。
そのための一時保護所がおもな児童相談所に併設されています。
相談・措置・判定部門では子どもの心理療法なども行っています。
ここでは、心理判定員という専門職員が心理検査や面接などを適して、子どもの心理判定を行います。
そして、心理療法などにより、子どもや親に対して指導、カウンセリングなどを試みます。
こうした検査は、心理判定員と精神科医や小児科医、心理療法の専門家である心理療法担当職員たちの協力のもとに進められます。
三つめは総務部門で、経理や厚生などの事務処理を行います。
児童相談所のなかには、「子どもと家庭110番」といった電話相談事業を行っているところもあります。
児童相談所は機能、組織の面からみて、児童福祉全般にわたり中心的な存在です。
児童福祉司・相談員は行政機関の公務員
児童相談所は、行政機関であり、そこで働く職員は地方公務員ということになります。
児童福祉司・相談員としての仕事につきたいのならまず自治体が行う地方公務員試験に合格しなければなりません。
任用試験、また受験資格については、自治体によって異なりますので、希望するところの人事委員会に問い合わせて詳細を確認したほうがいいでしょう。
児童福祉司になるための条件は、児童福祉法によって定められています。
したがって、本来ならば専門職として採用されるべきなのですが、
現いたい一般行政職、または福祉職として採用されたのち、児童相談所に配属される状は、だ、または人事異動で配置が決定されるといった状況です。
したがって、必ず児童福祉司のポストにつけるという保証はありません。
ただし、若干の府県では公務員試験に任用の条件を組み込んで、児童福祉司のための専門職試験を実施しているところもあります。
地方公務員である以上、異動は避けられません。
2、3年ぐらいでほかの児童相談所に転勤、あるいは他部門に転出することも多いようです。
1998年からの児童福祉法改正で、児童福祉施設に児童家庭支援センターが新たに加わりました。
児童相談所と連携をとって相談や助言を行う機関で、こういう機関に移ることもあるでしょう。
児童福祉の専門家をめざそう 配属や異動は、自分では思いもしないチャンスになるかもしれません。
前向きにとらえて、キャリアアップのために、できることをしていきましょう。
子どものための福祉サービスをコーディネートする仕事につきたいなら、福祉系の大学で児童福祉を勉強し、
そしてソーシャルワークの基礎を学んで社会福祉士の資格を取得しておくことを勧めます。
前もって資格取得ができなかったとしても、児童福祉司として5年間の実務を積むことで国家試験の受験資格となりますから、チャレンジしてみてください。
資格取得後も広く学び、児童福祉の専門家をめざしてください。
全国に児童福祉司は約1,200人いますが、そのうち専門職で採用されているのは半数に満たない550人ほどです。
児童福祉司の総数にしても人口10万人から13万人あたりわずか1人という少なさ。
さらに、短期間での人事異動。
児童福祉司の仕事が引き継ぎの繰り返しで処理されている状況にも問題があります。
最近、子ども虐待が急増し、児童相談所の機能があらためて問われています。
児童相談所所長は、虐待を受けている子どもを親の同意がなくても一時的に保護したり、
親子での生活は不可能と判断した場合、家裁に申し立て、認められれば子どもを施設に入所させることができる権限をもってきました。
しかし、これには検討が加えられるでしょう。
実際、親が強引に引き取りに来たので子どもを家に帰した結果、虐待によって死亡した、つまり児童相談所が関与していたにもかかわらず、結局子どもの権利が守られなかったというケースなどが問題になってきたからです。
本来なら子どもを保護すべき立場にある親が加害者となっている虐待のケースは、問題が複雑でもあり、その対応には高度な専門性が必要なのです。
事態を重くみた厚生省は、児童福祉司の協力者として児童虐待対応協力員を、児童相談所に1人ずつ配置することにしました。
しかし、これで問題解決の糸口になるとは考えられません。
子ども虐待の取り組みに先進的なイギリスでは、国家資格をもった「児童福祉ソーシャルワーカー」が子どもや家族のケアにあたり、
子どもの緊急保護や家族へのカウンセリング、ケアプランなどを担当します。
ソーシャルワーカーは地方公務員ですが、責任は重く、社会的な地位は相当高くなります。
日本でも高度な専門知識をもった人を配置し、児童相談所の機能性を高めることが急務です。
関連記事
サイトマップカテゴリー:福祉にかかわる仕事
トラックバック(0)
http://www.loan-me.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/2278

