介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員は、介護保険制度の創設にともない、新たに設けられた専門職です。
高齢者や家族からの相談に応じて、適切な介護保険サービスが受けられるように、行政や居宅サービス事業者、介護保険施設などとの連絡・調整にあたります。
介護や支援を必要とする人が、自立した生活を営むのに必要な援助に関する専門的知識・技術を有することが求められています。
利用者の多様なニーズとさまざまな介護サービスとを、適切に結びつけることをケアマネジメントといい、
介護保険制度の中でこの役割を担う介護支援専門員は、ケアマネジャーとよばれることもあります。
ひと口に「介護や支援を必要とする」といっても食事や入浴、排泄などの基本的日常生活の自立度、必要な医療の内容や程度など、高齢者の心身の状態は千差万別です。
独り暮らしの人、家族など介護者の状況や経済状態に不安がある人など、取り巻く環境も一人ひとり違います。
一方、提供されるサービスもさまざまです。
介護保険制度では、居宅サービス(在宅で受けられる訪問介護や適所で受けられるリハビリテーションのサービスなど12種類)や福祉用具購入、住宅改修費用などが保険でまかなわれます。
施設で受けられるサービスについては、介護保険施設(指定介護老人福祉施設=特別養護老人ホーム、介護老人保健施設=老人保健施設、指定介護療養型医療施設=療養型病床群など)が対象です。
実際に利用可能なサービスの量や質は、地域によりかなり異なるのが実情です。
介護保険を利用する要介護・要支援者やその家族など(以下、利用者)のニーズにそって適切なケアを行うには、
的確な情報の収集と提供、行政やサービス機関などとの連絡・調整、介護サービス計画の作成、サービスの実施や経過のモニタリングなどが必要となります。
こうした過程で、利用者からの相談に応じて、各種の介護サービスを的確にコーディネートするのが介護支援専門員です。
介護支援専門員の具体的な仕事は、要介護者に関する情報の管理、介護サービス計画の作成・管理、介護報酬に関連する業務、要介護認定のための調査、の4つに大別できます。
要介護者に関する情報の管理
要介護者に関する全体的情報まで要介護者台帳にもとづいて行われます。
介護支援専門員は、介護サービス計画作成依頼を受け付け、要介護者台帳に要介護者基本情報(氏名、住所、要介護認定情幸臥支給限度額情報など)を登録します。
介護サービス計画の作成・管理
介護保険では、利用者のニーズに適応したサービスを計画的、効率的に提供するために介護サービス計画を作成し、これにもとづきサービスが提供されます。
介護サービス計画はおもに利用者の依頼を受けた都道府県指定の居宅介護支援事業者、または介護保険施設が行い、
その実務は事業者に所属する介護支援専門員が中心となって行います。
まず利用者を訪問して、健康状態、日常生活の自立の程度、家族の状況などを調査し、ニーズを把握します。
続いて各サービス提供機関や利用者、またボランティア団体などとも話し合いを重ねたうえで、具体的な介護サービス計画を作成します。
介護サービス開始後も継続的な管理にあたり、介護サービス計画の変更が必要なときには、必要な手続きを行います。
介護報酬に関連する業務
居宅介護サービス計画費の請求書、給付管理票を作成して国民健康保険団体連合会に送付する事務を行います。
要介護認定のための調査
市町村が行う要介護認定のための訪問調査は、指定居宅介護支援事業者、介護保険施設に委託することができます。
この場合、事業者・施設に所属する介護支援専門員が実際の訪問調査を行います。
活躍の場
厚生省の試算によれば、介護保険制度を円滑に運用していくには、そのかなめとなる介護支援専門員が、少なくとも約4万人必要だとされています。
介護保険法では、介護サービス計画の作成および各種のサービス機関との連絡・調整にあたる「指定居宅介護支援事業者」と、
施設給付の対象となる「介護保険施設」は、必ず常勤の介護支援専門員を置かなければなりません。
介護支援専門員が実際に働く職場としては、この2つが中心になるでしょう。
居宅サービスを提供する「指定居宅サービス事業者」は、介護支援専門員の配置を義務づけられてはいませんが、
実際には、介護支援専門員を置き、指定居宅介護支援事業者を兼ねる事業者も多くなると考えられます。
介護サービス計画の作成から実際のサービス提供まで一貫して行うこうした事業者も介護支援専門員の職場に含まれることになります。
ですから、介護保険の給付に関連する機関の多くが、介護支援専門員の職場になるといえそうです。
介護支援専門員の仕事につくためには、介護支援専門員実務研修受講試験に合格し、実務研修を修了しなければなりません。
受講試験の受験には、おおまかにいって医療、福祉、介護などの分野で5年・900日以上(場合によって10年・1,800日以上)の実務経験が必要です(受験資格には詳細な規定があり、受験する際は、確認が必要です。)。
試験は、(a)介護支援分野、(b)保健医療福祉サービス分野に分かれ、(b)はさらに保健医療サービスの知識などと福祉サービスの知識などに分かれます。
この試験は、すでに医療や福祉の専門分野で働いている人が対象となりますが、もっている資格に応じて解答免除の規定が設けられています。
介護支援専門員は新しい職種ですから、就業の形態や給与水準、採用方法などは、介護支援専門員を置く事業者や施設によってかなりまちまちです。
正規の職員としての採用も、要介護認定のための訪問調査を行うアルバイトを募集するといった形もあります。
新聞や就職情報誌などを通じた採用がさかんに行われており、個別にチェックして採用試験を受けることになります。
注意が必要なのは、介護保険法で常勤の介護支援専門員を置くことを義務づけられている機関でも、ほかの業務に携わる職員が兼務することを禁止していない点です。
つまり約4万人の介護支援専門員が必要とされるとはいえ、4万人の新規採用が行われるわけではありません。
介護保険制度の基本理念は自立支援です。
介護を必要とする高齢者も、たとえば車いすで外出して好きな買い物をし、友人に会い、さまざまな地域活動に参加するなど、みずからの生活を自分の意志で楽しむことができるように支援すること。
介護支援専門員は、利用者がみずからの意志のままに、自分らしく生きられるよう支援するという理念に基づいて活動することが必要です。
そのためには、介護保険制度に定められたサービスだけでなく、ボランティア団体などとも積極的に連携して、利用者一人ひとりのニーズに十分対応する努力が求められます。
また、利用者の生活維持能力を高めることへの配慮も大切です。
病気や機能低下の予防、健康増進や生きがいを高める活動、機能の維持改善をはかるリハビリテーションの推進などによって、他者への依存度を低くし、
利用者がより自分らしく生きられるよう支えたいものです。
資格を取るには
実務石刑参受講試験の受験資格は、おもに次のようなものです。
医療・福祉専門職で実務5年
医師、歯科医師、薬剤師、保健婦・士、助産婦、看護婦・士、准看護婦・士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言言剖恵覚士、あんまマッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔避封夏師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士のいずれかで、その業務に5年・900日以上従事した人。
相談援助の実務経験5年
老人や障害者の施設などで相談援助業務を5年・900日以上した人。
複合型実務経験5年
社会福祉主事、ホームヘルパー2級修了者、1の資格取得者、相談援助業務経験1年以上の人などで、介護の実務経験5年・900日以上の人。
介護の実務経験10年
老人や障害者の施設、医療機関などで介護の実務経験が10年・1,800日以上の人。
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