福祉オンブズマン
生活保護世帯、高齢者、障害者、子どもなど、行政の福祉サービスを利用する人は、弱い立場に置かれがちです。
福祉サービスへの不満や苦情があっても、サービスの提供者である行政に直接申し出ることには消極的になりがちです。
行政不服審査などの制度もありますが、これはおもに法律に適合しているかどうかを判断するもので、時間も手間もかかります。
「法律にはそっているけれど、うちの事情には合わない」
といった苦情には、適切に対処するシステムがないのです。
こうした状況を改善するために生まれたのが福祉オンブズマン制度で、行政から独立した第三者機関として活動します。
面倒な手続きなしに、福祉サービスの利用者からの苦情を受け付け、公平で中立な立場から調査して、サービスの改善をはかるのが福祉オンブズマンの仕事です。
日本で最初に福祉オンブズマンを導入した東京・中野区の例で少し具体的にみてみましょう。
まず福祉オンブズマンは、福祉サービス利用者から、直接苦情の申し立てを受け、苦情の内容について調査を行います。
区は、事情の説明や関係書類の提出など、調査に積極的に協力することを条例で義務づけられています。
調査の結果、苦情の内容が妥当なら、福祉オンブズマンは区に対してサービスの改善を求める意見を表明し、区はこれにそった改善を行い、結果を報告します。
苦情の原因が福祉サービス制度自体にある場合、制度の改善を求めるのも福祉オンブズマンの役割で、区は意見にそって制度の改正を行い、結果を報告します。
福祉オンブズマンは苦情の申し立てから45日以内に申し立ての適否を判断し、
意見を表明すること、区はこれから30日以内(制度改正については90日以内)に改善を実施することも定められていて、サービスのすみやかな改善が可能です。
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