ケア・福祉のしごとは「バリアフリー」
福祉の分野では、「バリアフリー」という言葉をよく使います。
「バリアフリー」とは、高齢者や障害者も含むすべての人々が、快適で安全な生活を過ごせるよう、生活のあらゆる場面の「バリア(障害)」を「フリー」として、住みよい社会環境づくりをめざすというものです。
福祉の分野にかぎらずすべての「ケア・福祉のしごと」というのは、この「バリアフリー」をすることではないでしょうか。
なぜなら、必要なケアを提供することで、その人が抱えている生活上の支障(障害)を取り除き、快適な生活を送れるように支援する仕事だともいえるからです。
「ケア・福祉のしごと」に、特に求められるのはどのようなことでしょう?
たとえば、寝たきりのお年寄りの家庭で手助けが必要になったとき、ホームヘルパーだけの援助で十分でしょうか。
家族が急に何日か家をあけなければならなくなった場合、どうすればいいでしよう。
このようなとき、お年寄りを一時的に預かってくれる地域の老人福祉施設などの協力があれば助かります。
また、病気になった場合、医師の診療が必要になります。寝たきりのお年寄りを病院まで連れていくことは大変です。
そこで緊急の場合、往診してくれる医師がいれば安心です。
また、日ごろの健康管理も、訪問看護などが利用できればさらによいでしょう。
その人にもっとも適切で、専門的な手助けが求められるわけです。
つまり、多くの専門職がそれぞれの知識と技能を十分に発揮してかかわることが、
「ケア・福祉のしごと」が本当に人の支えになるには必要です。
このような状況を背景に、「ケア・福祉のしごと」にかかわる資格制度も序々に整ってきました。
たとえば福祉の分野では、10年ほど前まで国家資格は「保母(現在は保育士)」のみでしたが、その後、1988年に社会福祉士と介護福祉士の資格が誕生しました。
さらに最近では「精神保健福祉士」、「介護支援専門員(ケアマネジャー)」の資格が制度化され、より専門性の高い人材が養成されるようになっています。
しかも、これら専門職による援助は、必要とする人のために、すばやく臨機応変に提供されることが重要です。
単一のサービス、単一のしくみだけでは、人々の多様な生き方を十分に支えることはできません。
先にあげた例でもわかるとおりです。
そしてまた、現実には、必要とされるさまざまなサービスを本人または家族が各担当機関に連絡し手配するのは、かなりむずかしいことです。
そこで、各サービスを担当する関係機、関の調整をはかり、継続的な援助ができるように支援してくれるマネジャー役、コーディネーター役が必要となります。
マネジメントの役目をおもな仕事とししているのは、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなどです。
でも、「ケア・福祉のしごと」に携わる人には、多少なりともマネジメント感覚が求められます。
なぜなら、自分の役割とチームとしての働きを理解する人たちによって、真の連携プレーが可能だからです。
「ケア・福祉のしごと」に従事するには、専門的知識と技能を磨くだけなく、人間性の豊かさと公正な価値観をもつことも重要です。
人対人の仕事です。
安心してケアを受けてもらうには、互いの信頼関係をしっかりつくることが大前提になります。
そのためには、常に公正な価値観を忘れず、相手のことをよく理解しようと努めなければなりません。
そしてなによりも、「ケア・福祉のしごと」につくには、人間が好きであることが大切です。
そのうえで、「ケア・福祉のしごと」のスペシャリストとなるためには、常日ごろより、自分自身を磨く向上心をもつことも大切なのです。
より質の高いサービスができるかどうかは、それを提供する側の人間の資質によって左右されるといってもよいでしょう。
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