心理判定員
児童相談所に寄せられる相談の内容でもっとも多いのは、家庭環境に関するものです。
そのほかに、家出や離婚、不登校など実にさまざまな問題があります。
また、身体障害者や知的障害者などの施設には、内面は複雑な心理状態にありながら、必ずしもスムーズにそれを表現できない利用者もいます。
こういった場面で、心理判定員は、心理学的な見地から相談内容に及ぼしている心理的因子や利用者の心理状態を把握し、
それに合わせた対応を職員に提言したり、個別に心理療法を施したりします。
おもな仕事は、対象者の心理状態を把握するための検査です。
心理療法担当職員や精神科医、小児科医と相談しながら、さまざまな行動を観察したうえで、心理判定を行います。
その判定をふまえ、クラブ活動などを通じた集剛勺な療法、さらには個別の面接や対話による個人療法を用いて援助するのも大切な仕事です。
判定と援助は常に一体、分けて考えることはできません。援助を通じながら判定の材料を積み重ねていきます。
心理判定員が、もっとも多いのは児童福祉行政の重要な機関である児童相談所です。現在、全国に174ヶ所あります。
ここで相談や調査、判定、一時保護、指導など児童福祉全般にわたる大切な業務を受け持っています。
児童相談所の機構は相談・措置・判定部門、一時保護部門、総腐部門の3つに分かれています。
このなかで、心理判定員が配置されているのは相談・措置・判定部門です。
ここでは、心理判定員が面接や心理検査で心理判定を行い、心理療法担当職員がカウンセリングにあたりますが、同じ職員が鹿務している場合もあります。
社会福祉施設でも活躍
心理判定員は、身体障害者更生相談所、知的障害者更生相談所などの行政機関、身体障害者更生援護施設、精神障害者社会復帰施設、婦人保護施設などでも若干働いています。
また今後は、高齢者福祉の分野へも活躍の場が広がっていきそうです。
常勤者が多い児童相談所のケースをみてみましょう。
児童相談所は都道府県か政令指定都市の一行政機関です。
ここで働く場合は、管轄する県や市の職員にならなくてはいけません。まず、各自治体が行う公務員試験に合格することです。
専門性が問われるため、一部自治体では、専門の採用枠を設けていますが、ほとんどは一般の行政職での採用になります。
その後、希望を出し、児童相談所に配属されることになりますが、必ずすぐに希望が通るとはかぎりません。
一方、社会福祉施設では、ほとんどが心理判定員として個別採用を行っています。
心理的側面からの援助の充実には欠かせないスタッフで、知的障書者更生相談所などでは、ますます重要な職種になってきています。
専門資格の法制化検討も 民間の施設と児童相談所など公的機関とを合わせても、全体にそれほど採用数は多くありません。
どうしてもこの仕事につきたいと思う人には、かなり厳しい 状況です。
いずれも定期採用はなく、欠員が出た場合などに募集がある程度です。
心理判定員になるには、任用の条件(厳密なものではない。)を満たしていること以外に、特に必要な資格はありません。
専門技術のめやすとして臨床心理上資格が求められることもありますが、これも必ずではありません。
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