盲導犬訓練士:盲導犬歩行指導員
仕事は大きく盲導犬の育成と、障害者への歩行訓練に分けられます。
認定基準をクリアした人は「盲導犬訓練士」、後者は「盲導犬歩行指導員」とよばれます。
実際には訓練士を経て、歩行指導員になって初めて盲導犬にかかわる仕事が全面的に任されます。
つまり、私たちが一般によんでいる盲導犬訓練士とは、盲導犬歩行指導員のことだったのです。
ちなみに道路交通法では、目が見えない人は白か黄色のつえを持つか盲導犬を連れなければいけない、としています。
まず盲導犬育成の仕事からみてみましょう。
排便など、人間社会で暮らすのに必要な最低限のルールはパピーウォーカーとよばれる一般の里親家庭でしつけ、覚えさせます。
そこをクリアした犬について、判断力や応用力などを育てていきます。訓練するのは、人の命にかかわる責任ある仕事です。
主人の指示に従うだけでなく、ときに危険を察知し、みずからの判断で行動することまで、教え込みます。
盲導犬訓練士に課せられた仕事は、盲導犬として育てられている犬たちにかかわるすべて、という実に幅広いものになります。
盲導犬訓練士の仕事で見落とされがちなのが、視覚障害者の人への歩行指導です。これも盲導犬育成と同じくらい重要な仕事です。
目の不自由な人に、もっとも的確な援助ができるといわれているのが盲導犬です。しかし、だれでもすぐに犬を扱えるわけではありません。
犬と暮らすための基礎知識は不可欠ですし、盲導犬との呼吸も覚えなくてはいけません。盲導犬訓練士が、訓練に立ち会い、実際の路上歩行にも同行します。
盲導犬訓練士が訓練士としての訓練を受けるのと、働ける場所は同じところ。
つまり、国家公安委員会が指定した全国8か所の盲導犬育成施設に就職する以外に道はありません。
育成施設は、札幌市、宇都宮市、渋谷区、練馬区、名古屋市、京都市、大阪市、福岡市にあります。
これらは、それぞれ独立した法人です。
ふだん働く場所は施設内の訓練所。また、訓練所の外に出て、視覚障害者の自宅周辺での指導も多くなります。
就職後は「研修生」「盲導犬訓練士」「盲導犬歩行指導員」の3段階の課程があります。
盲導犬の飼育・訓練をしながら、段階を踏んで各施設の行う認定試験に合格し、要件を満たして、資格を得ていくのです。
まず3年の研修課程を経て、盲導犬訓練士に認定されます。さらに歩行指導員の資格を取得しなければなりません。
犬を育て、歩行指導までできて、やっと一一人前です。訓練士から歩行指導員になるまで、だいたい2年。
盲導犬訓練士として社会に通用する資格が得られるまでは、合計5年もかかることを、覚悟しておいてください。
募集は欠員が出たとき施設ごとに行いますが、1つの施設で年1、2名。これに対し、数100人単位の応募があり、狭き門です。
一方で、5年の研修をすべて終えることができることは少なく、ただ犬が好きでは勤まらない厳しい仕事です。
盲導犬歩行指導員になるまで、寮生活または施設指定の訓練所近くのアパート生活になります。
給与はだいたい公務員なみです。
国家公安委員会は道交法施行令の中で、盲導犬について、法人認定を受けた特定の施設で必要な訓練を受けた犬と規定しています。
公共性が強い非営利団体である各法人に対し、盲導犬の育成資格を与えているわけです。
つまり、盲導犬訓練士とは、盲導犬育成のための各施設で働く人たちに、施設ごとに認定する資格なのです。
犬を訓練して育てる「盲導犬訓練士」という個人資格は存在しません。
現在、歩行指導員までの研修を終えた盲導犬訓練士は8施設合計で28人、盲導犬は853頭います。
介助犬トレーナー
体の不自由な人たちを援助する目的で訓練を受けた犬たちが、活躍する場が増えています。介助犬もその1列です。
障害者や病人、高齢者を対象とした介助犬の育成も始まっています。
需要は多く、育成のための基盤づくり、特に資格や組織の整備は、今後さらに進んでいくと思われます。
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