ホームヘルパー
一般の人を対象に、保母(現在は保育士)や寮母といった介護にかかわる7つの職種について調査したあるアンケートがあります。
このうちで、ホームヘルパーは保母に次いで高い認知度がありました。
その一方で、仕事のなかみについては意外と誤解されています。
ただの「お手伝い」ぐらいにしか思わない人もずいぶんいます。
今後、ホームヘルパーが地域福祉を支える重要な担い手になることは、間違いありません。
国が進める福祉政策では、「在宅福祉サービス」の中心的な柱に据えられているのです。
介護と援助サービス提供
ホームヘルパーは、加齢とともに虚弱になったお年寄りや、心身や精神に障害があり、
日常生活を送るうえで支障をきたす障害者の自宅を訪問し、家事の援助や介護をします。
仕事は、大きく介護サービスと家事援助サービスに分けられます。
介護サービスとしては食事や入浴、トイレ、着替えなどの身体介護。なにかと本人や家族の日常の相談にのったりもします。
家族への介護技術の指導も大切な仕事です。
話し相手になって、介護する側のストレスを和らげるなど、精神的ケアもしています。
家事援助サービスとしては、掃除や調理、貫い物や洗濯などがあげられます。
地域とのつながりが維持できるような配慮も必要ですから、いっしょに地域行事に参加したりもします。
独り暮らしのお年寄りらが、自宅で安心して生活できるように、自在のためのサービスを安定的に供給していくことが、大きな日的なのです。
1日数世帯を訪問
ある常勤ホームヘルパーの1日の仕事ぶりです。
まず、事務所に出向き、その日に予定している訪問についての打ち合わせをします。
事業所の方針でシステムはばらばらですが、担当家庭がだいたい決まっているケースがほとんどです。
1〜2時間ぐらいをめやすに、1人1日、数世帯を訪問します。
これも、利用者が選択しているサービスメニューによって違ってきます。
交代勤務のあるところは、利用者の状況を正確に把握し、むらのない援助ができるように、介護記録の作成も重要になります。
申し送りで、交代する人に的確に状況を伝えなくてはなりません。
ホームヘルパーは、人材不足
ホームヘルプサービスは全国すべての市町村で実施されるようになりました。
ヘルパーの需要は高まるばかりです。
サービスを実施する形態には大きく分けて3つのタイプがあります。
一つめは、市町村が実施するホームヘルプサービスです。
二つめは民間の社会福祉法人や非営利団体によるホームヘルプサービスです。
具体的には社会福祉協議会や福祉公社、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、住民の自主的組織などです。
三つめは、参入が著しいシルバー産業によるホームヘルプサービスです。
特に、二つめの事業形態が目立って増えてきています。
最近では街の中でも、民間のヘルパー紹介所の看板を、よく目にするようになってきました。
ヘルパーは、こういった紹介所に登録して、派遣要請を受けてサービスの提供をしています。
東京都内で働くホームヘルパーの、ほとんどがこのタイプに入ります。
また、同じシルバー産業でも、正式に社員として採川され、訪問介護サービス業務にあたっている人たちもいます。
一、二のタイプでの採用はどうなのでしょう。
市町村の公務員ヘルパーとして採用されるのは、かなりむずかしい状況です。
ホームヘルプサービスが始まった当初は求人があったのですが、現在ではほとんど採用は行われていません。
活気あるシルバー産業
特別養護老人ホームや在宅介護支援センターで実施する、在宅介護サービスにおいても、ホームヘルパーとしての採用はあまり多くありません。
まれに募集があったとしても非常勤のほうが多いようです。
ホームヘルプサービスの内容は、各利用者の心身、家庭の事情、または実施機関の準備するメニューによりさまざまです。
これだけシルバー産業の参入が盛んですから、これからは激しい競争も予想されます。
経済的にみれば、活気があり可能性を秘めた市場であり、福祉の観点からみれば、地域社会で頼りにされるやりがいある職種なのです。
いずれにせよ、どこで働こうと利用者の生活の質を高め、不安のない在宅生活を送れるように援助していく目的だけは変わりません。
紹介所に人材登録
求人情報は専門誌などで どのようなところに就職可能なのかという、採用の形態については前ページで紹介したとおりです。
いま働いているホームヘルパーでもっとも多いのは、民間の事業体に人材登録して働いている人です。つまり非常勤採用です。
正社員雇用の道は、もちろん可能性としては考えられますが、そういう人はおもにリーダーとしてマネジメントに携わり、ほかの多くのホームヘルパーは、やはり登録による非常勤で働くことが多いでしょう。
実際に仕事を探すことになったら、ハローワーク、あるいは、市販の求人情報誌などで調べてみるのがいいでしょう。
事業所の大小を問わず、さまざまな情報が寄せられています。
地域の活動としてホームヘルプに携わりたいと希望するなら、特別養護老人ホームや社会福祉協議会、福祉公社、社会福祉事業団、各都道府県の福祉人材センターに問い合わせてみてください。
実際、紹介所に登録して働く場合の給与形態ですが、一般の派遣事業と同じで時給制になります。
給与水準も900円から1,400円ぐらいまで、ずいぶん開きがあります。
仕事の内容としては「介護サービス」と「家事援助サービス」があることは、すでに紹介しましたが、提供できるサービスが、介護中心か家事中心かが一つの目安になります。
専門技術が要求される介護中心であれば、その分時給も高くなります。
もちろん、両方必要な場合も出てきます。
時間帯によって残業や特殊勤務手当がある場合もありますし、このあたりの給与計算は、まったく事業所独自の規定になります。
紹介所に登録して働く場合、現在の水準では生業にできるほど賃金が高くないという問題があります。
また、介護保険の適用を受けるサービスを担う場合、時間によって保険から得られる金額が決まりますから、コスト意識の求められる職業にもなりそうです。
そんな環境でも、仕事の魅力は大きいと、強いやりがいを感じている人たちによって、在宅介護サービスは支えられています。
介護サービスのメニュー
介護サービスのメニューは実施機関ごとでさまざまですが、ホームヘルパーのかかわり方としては、「滞在型」と「巡回型」と2つのパターンがあります。
滞在型は1回の滞在時間が2時間から3時間ほど。
その間に食事の用意や洗濯、通院の介助、買い物など家事援助中心のサービスをします。
一方、ほぼ介助に限定したサービスが「巡回型」です。
家族の介護負担を助けるねらいなどで、1995年から始まったサービスシステムです。
1回の時間は約15分程度ですから、トイレや寝たきりの人の体位交換などを効率よくこなさなくてはなりません。
深夜も含め24時間のうち、1日約5回、365日休むことなく巡回します。
たかが15分ですが、待っているお年寄りにはうれしい訪問です。
深夜の訪問の場合は家の鍵を預かることもあります。
信頼されてこそ、できる仕事なのです。
介護の仕事は、だれでもできるようにみえますが、実はそう簡単ではありません。
高齢者介護に携わる職業の重要性が社会的にも認識されてくると、必要に応じて資格も細かく整備されるようになってきました。
介護福祉士国家資格、ホームヘルパー3〜1級の養成研修、介護アテンドサービス士です。
養成研修は、厚生省で定めた「ホームヘルパー養成研修事業」の実施要綱に従って、自治体や民間団体が実施しています。
昼間のコースのほか夜間、土日コースもありますので、各都道府県の高齢者福祉の窓口や福祉人材開発センターなどに問い合わせてみてください。
コースは入門の3級から用意されていますが、「資格」として認められるのは、だいたい2級から上です。
ホームヘルパーという呼称は実は養成研修を修了しないと名乗れません。常勤で働こうと望む場合は特に、ヘルパーの2級は受けておきましょう。
概要は次のとおり。
2級
ホームヘルパーの養成を行う基本研修、130時間の受講(3級課程修了者は104時間)
1級
チーム運営方式の主任ヘルパーなど基幹的人材の養成をする研修、230時間の受講。
2級のカリキュラムを紹介します。
大きく講義、実技講習、実習に分かれます。
講義は「介護に関する知識と方法」、「家事援助に関する知識と方法」など8科目58時間です。
実技講習は「基本介護技術」など4科目42時間。
実習は「ホームヘルプサービス同行訪問」など3科目30時間です。
介護アテンドサービス士
介護現場での技術向上をめざし1990年から始まった介護アテンドサービス士についてもふれておきましょう。
労働省認定の資格で、学科と実技で構成されています。
受験資格は、介護サービス業務について6ヶ月以上の経験があり、介護労働安定センターが実施している介護労働者講習の必要コース修了者。
6ヶ月以上の実務経験がある、ホームヘルパー養成研修の2級課程以上の修了者も受験できます。
現役で介護サービス分野で働く家政婦や、寮母らが挑戦しています。
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