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介護に関わる資格・仕事
高齢化と介護の負担の重介護の仕事へのニーズは高まる一方
高齢化が進み、介護を必要とする人は増えている。
一方、核家族や一人暮らしの世帯が増加し、またライフスタイルや扶養に対する意識もかわってきたため、家庭で、家族だけで介護を続けるのは難しくなっている。
介護保険制度の導入もあって、今、注目を集めているのが介護に関する仕事た。
介護の専門家に対するニーズは増大するばかりで、それに応じてさまざまな資格や専門職が設けられるようになってきた。
主な資格や仕事について紹介する。
社会福祉士
福祉の専門知識と技術を持ち、相談や指導にあたる人の国家資格。
このような仕事をする人はソーシャルワーカーと呼ばれるが、88年に施行された「社会福祉士及び介護福祉士法」に基づいて国家資格が設けられた。
ソーシャルワークをする人にはこの資格が必須というわけではないが、有資格者の多くは福祉施設で施設長や相談員として働いている。
受験資格は学んだ大学・短大や科目、実務経験、養成施設での勉強の有無などで、細かく決められている。
介護福祉士
介護に関する専門職の国家資格。 有資格者は実際に福祉施設で働く人が多い。
ただし、この資格がなければ介護の仕事ができないというわけではない。
指定の福祉施設などで介護の実務経験が3年以上あれば受験資格が得られる。
また、福祉系の大学や社会福祉士養成施設、保母養成施設を卒業してから、介護福祉士養成施設で1年以上学び、卒業する、あるいは高校などを卒業後、介護福祉士養成施設で2年上学んで卒業するなど、登録によって資格が得られる。
ケアマネージャー(介護支援専門員)
介護保険制度によって誕生した介護の専門職。
介護保険制度を利用しようとする人の為に、どんなサービスをどのように受けるかの計画(ケアプラン)を立てたり、介護の相談に乗ったり、サービス事業者との連絡や調整を行う。
介護保険制度や地域にある介護サービスを熟知していることはもちろん、コミュニケーション能力も必要。
医師や看護士(婦)、理学療法士、作業療法士、社会福祉士といった医療・福祉関連の仕事の実務経験が5年以上ある人などが受講試験に合格することが要件。
合格者は介護支援専門員実務研修を受けて、ケアマネージャーとなり、介護支援サービス事業者に所属して働くことになる。
ホームヘルパー
在宅介護が必要な人をケアする仕事。
行政や民間が主催するホームヘルパー養成研修を受けて認定される。
1~3級があり、講習の時間がそれぞれ異なる。
福祉住環境コーディネーター検定
東京商工会議所が実施している公的検定試験。
ソーシャルワーカーや建築関係者、理学療法士、作業療法士などと連携しながら、高齢者や障害者が住みやすい住環境を提案する。
受験する際、学歴・年齢・性別・国籍に制限はない。
現在2級と3級があり、いずれも筆記試験。
福祉や医療、住環境、福祉用具などの知識が問われる。
受験者は建設関連の仕事をしている人の占める割合が高いが、ホームヘルパーや介護福祉士、看護士(婦)・看護士、社会福祉士といった医療や福祉の有資格者の受験も多い。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
看護士
仕事のなかみ
看護士は、診療や治療の補助を行います。
子どもは白衣を見ただけで不安が増大し、泣き叫びいやがります。
そんな予どもにやさしく接しリラックスさせて、医師が診察に専念できるよう努めます。
特に、施設で生活している場合、保護者に代わって接することが多いので、子どもから信頼されることが大切です。
活躍の場
児童福祉施設のなかで看護士が働くところはおもに、乳児院や肢体不自由児施設、情緒障害児短期治療施設といったところです。
乳児院は、母親が病気、または両親に養育能力がない、さらには遺棄児であるなど、家庭環境上問題のある2歳未満の乳児が入所するところです。
情緒障害児短期治療施設では、軽い情緒障害をもつ児童が短期間入所、または適所していますが、看護土はその医療ケアにかかわっています。
就職&キャリアアップ
看護士になるには、看護士免許を取得しなければなりません。
一般的な方法は高校卒業後、看護学校で学び、その後看護婦国家試験を受けて合格して免許を取得する方法です。
今後はキャリアを伸ばすフィールドとして、訪問看護や在宅障害児の介護支援など、
在宅での看護・介護サービスが広がりをみせそうです。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
ジョブコーチ
あまり聞かない名ですが、重度障害者の就労を助けるためにいっしょに職場に入る専門スタッフです。
アメリカの「援護就労」というシステムにならっています。
ジョブコーチの役目は、その障害者に合った職場を探し、自分自身がその仕事を覚えるところから始まります。その後、障害者に付き添い職場で手助けします。
自立が最終日的ですから、たんに手を貸すのではなく、できないところに手を加えるようにします。
たとえば、作業手順を絵にして確認させたり、質問するときのためにコーチや従業員の顔写真のカードを持たせたりと工夫しています。
企業と障害者の意思の疎通のサポートも大切な役目。
周囲の理解、協力が得られるように、障害者の障害の状態、発作時の対処法などを説明したりもします。
まだ職種として定着したわけではなく、一部機関で試行錯誤しながら軌道に乗せようとしている段階です。
あるいは、方法論としていかしている段階といったほうがいいでしょう。
養成へ向けての試みはあります。
ある社会福祉法人では毎年、基礎実践の各講座を開いています。
独自に養成したスタッフが、自閉症者らの就労を助けてもいます。
ジョブコーチの働きがより広く知られるようになり、養成のシステムが整っていけば、ジョブコーチの活躍場が増え、障害者の就労はいまよりもっと助けられることになりそうです。
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伸びそうな介護の仕事
「生活相談員」
これまで「生活指導員」とよばれていましたが、介護保険法に関する審議の中で、:名称が改められ、「生活相談員」となりました。
特別養護老人ホームでは、100人以上の入所者に対し、必ず1人以上の配置が義務づけられました。
仕事内容、資格基準などに関してはまったく、これまでと変わる部分はありません。
厚生省によると、これまで業務をするうえで全面に出ていた「措置」という概念を見直した結果の改名。
「措置」だと、行政指導的な意味合いが強く、利用者がサービスを選択していくという介護保険法の目的に、そぐわなくなると考えました。
また、現場からも「生活相談員」のほうが、より仕事の内容に合ったよび方だという反応が返ってきています。
「急には変わらないでしょうが、徐々に定着していくでしょう」と厚生省では話しています。
「専門相談員」
介護保険制度の始まりによって、介護サービス分野への民間企業の参入が盛んになります。
「専門相談員」とは、福祉機器のレンタル事業を始める事業者に対し、サービスの一定水準を保てるよう厚生省が配置を義務づけた新たな職種です。1事業所に2人以上が必要です。
ここでいう事業所とは、あくまでも各都道府県知事から、介護保険を使ったサービス提供の事業者として指定を受けたところです。
それ以外の個人や企業が「専門相談員」を名乗ることはありません。
指定レンタル機器は、車いすや特殊寝台、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助杖、移動用リフトなど。
専門相談員は貸し出しの際、利用者の障害の度合いなどを判断し、それに合った機器が使えるように選択、アドバイスをします。
場合によっては、機器の調整もします。
また、使用法についての説明も大切です。
専門相談員になれるのは、介護福祉士、義肢装具士、保健士、看護士、准看護士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士。
ほかに、厚生省研旨定した養成機関で、指定講座を40時間以上学んだ場合も、これらの資格と同じとみなされます。
これから専門相談員になるとすれば、さきの各種専門職の資格のうち、どれかを取得するのがいいでしょう。
「ケアマネジャー」
介護保険制度では、利用者は保険料を収めたうえで、利用したサービスについて1割を自己負担します。
利用できる介護サービスは、従来の施謎こおけるサービス、在宅でのサービスをはじめとして、新たに設けられたものなども含めると多種多様。
サービスの単価もサービス別、要介護度(介護が必要な度合い。申請、訪問調査、審査会などを経て6段階に認定される)別に異なります。
どういうサービスを利用していくかのケアプランは、利用者が自分でつくることもできますが、
実際問題として、自分にとっていちばんいいサービスを選び、本人負担分を上手にマネジメントすることは、かなりむずかしいことになってきます。
そこで登場したのが「ケアマネジャー」。
法的な名前は「介護支援専門員」といいます。
ケアプランの原案をつくり、利用者・家族、サービス機関とともに会議をしたうえで利用者の同意を得るのが仕事です。
福祉や医療現場で十分な経験をした人がケアマネジャーになることができます。
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介護職員:寮母(寮夫)
介護保険法の施行と同時に2000年以降、高齢者が利用する福祉施設では、従来の「寮母」から「介護職員」と職名が改められました。
だからといって、「寮母」が突然通じなくなるわけではありません。
介護職員は、施設で暮らす高齢者や身体障害者、知的障害者が、安心して過ごせるように生活のあらゆる面を手助けしていきます。
介護のプロフェッショナルであり、施設の大黒柱的な存在です。
あらゆる日常生活手助け
仕事をざっとあげれば、入所者の起床に始まる洗面、トイレ、着替え、食事、歩行、入浴など日常の介助のほか、居室の清掃、身体状況の記録と実に多様です。
朝起きてから寝るまでの基本的な日常生活の介助はもちろん、ときに入所者の心のケアを考えた個人的な接し方も必要になってきます。
とかく集団生活では、ストレスや不安が生じやすいものです。
話し相手になって、悩みを聞いたり、生活の張りを保てるようクラブ活動やレクリエーションなども支援します。
入所者が社会との接点をもち続けられるように配慮するのも、介護職員の役割です。
積極的に施設の外へ出ていけるように手を貸し、通院をはじめ貫い物や散歩、旅行に付き添ったりすることもあります。
また、入所者に関する情報は常に気を配り、家族や生活相談員、医師とも緊密に連携をとり合わなくてはいけません。
たんに世話をやくだけではなく、健康や家庭事情をふまえたうえで、一人ひとりに合った生活支援を考えていきます。
高齢者介護の現場では需要が拡大
9割は老人福祉施設勤務 特別養護老人ホームなどの老人福祉施設が急速に増えてきたのに比例し、介護職員数も、これまで以上に必要になってきました。
ですから、介護職員の職場でいちばん多いのは、圧倒的に老人福祉施設となっています。
1997年現在、全国の介護職員は約12万1,000人。そのうち9割弱もが、老人福祉施設で働いているのです。
残りの1割ほどの人たちは、身体障害者更生援護施設や救護施設、またはそのほかの施設で働いています。
入所型と在宅型の施設 老人福祉施設といってもさまざまな形態の施設があり、
高齢者の心身や家庭の状況によって、施設の内容もずいぶん違ってきます。
大別すれば、入所利用型、在宅利用型に分けられます。
もっともよく知られる、特別養護老人ホーム、養護老人ホーム(一般、)、軽費老人ホーム(A型、B型、ケアハウス)、老人短期入所施設などは、入所利用型の施設です。
原則65歳以上の利用者が暮らし、日常生活を送るうえで必要なサービスの提供を受けています。
在宅利用型は、老人デイサービスセンター、老人福祉センターなどです。
家庭に介護者がいる高齢者の利用が多く、過1、2回程度、送迎リフトバスなどで通ってきてサービスを受けます。
施設では、入浴や食事サービス、日常生活動作訓練などが行われています。
交流やクラブ活動の場にも活用されています。
1985年から96年までのわずか10年ほどで、5倍以上に増えた社会福祉施設があります。
寝たきりや痴呆など、家庭内だけでは支えきれない高齢者が利用する入所型の特別養護老人ホームです。
その数約3,500か所。全国の老人福祉施設、1万5,000か所のうち4割を占めています。
現代の地域社会に不可欠な施設だといえます。
しかし、入所希望者数に対するベッドの数はまだ不十分です。
介護職員ももっと確保したいところなのですが、各施設とも経営上の理由でなかなか採用数を増やせないというのが現状です。
いざ、介護職員になりたいと思ったならば、まず問われるのは適性です。
初めに施設を訪問したりして、自分がこの仕事に向いているか冷静に分析してみるのがいいでしょう。
介護福祉士資格は技術のめやす
介護職員をはじめホームヘルパーなど介護における職種は多様化し、それぞれの職場では即戦力が求められるようになってきました。
そこで、ある一定の技術のめやすが必要になり、介護福祉士や介護アテンドサービス士の資格が近年急速に整備されています。
資格の整備は、もともと女性が中心だった職場への、男性進出にも役立っています。
介護の仕事をするうえで、注目されるのは「介護福祉士」の資格です。
最近では、この資格があれば、優先的に採用する傾向も出始めています。
特別養護老人ホームの運営形態はさまざまです。
東京都の例をとってみれば、1998年10月現在の施設数は257。
そのうち、完全な都営はわずか2か所しかありません。
公務員にこだわって公営施設への就職を希望する人は、各自治体が実施する採用試験を受けることが必要になります。
しかし、施設数からしても相当に狭き門になります。
ほかの施設はほとんどが、自治体が設立し民間に委託して運営しているか、または設立運営ともに民間が行う社会福祉法人です。
今後とも増設が見込まれるのは、この2つの形態の施設です。
給与は、常勤職ではこれまでほぼ地方公務員なみを維持してきましたが、介護保険制度の始まりにともなう施設運営の事情から、各施設ごとにまったく独自の体系に変わってきています。
介護保険制度の始まりにより、各施設とも介護職員の採用を増やす方向ですが、常勤者数は極力抑えて対応していきたいようです。
これからは、いままで以上に非常勤採用が増えそうです。
もしあなたが、特別養護老人ホームで働きたいと思ったならば、まず勤務体制を頭に入れておかなければいけません。
体の不自由な高齢者たちが暮らす特別養護老人ホームなどの施設では、24時間体制で利用者の生活をサポートする体制が整えられています。
ですから、一般の会社と違い勤務は早番から夜勤まであります。
現在いちばん多いのが、4交代制を採用している施設です。
24時間を平常(8:30〜17:00)、早番(7:00〜15:30)、遅番(10:00〜18:30)、夜勤(17:00〜翌9:00)の4つの勤務時間帯に分けています。
週1回ぐらい夜勤が回ってきます。
特別に激しい作業があるわけではないのですが、ローテーションに体が慣れないうちは、少しつらいかもしれません。
いつでも安定した力を発揮するためには、人なみ以上の体力と気力が必要です。
まずは、あなた自身が健康なことです。
また、お年寄りとのコミュニケーションが絶対に欠かせない職場です。
毎日いろいろなハプニングがあり、刺激の多い仕事ですが、反面うまく意思が伝わらなかったり、相手に振り回されたりしてストレスをためてしまうこともあるでしょう。
我慢のしどころです。
なにごとも前向きに考える、ポジティブな考え方が大切です。
一人で悩まず、まわりの先輩たちに積極的に相談できる明るさも、ここでは重要な能力の一つ。
介護の仕事に対するはっきりした目的意識をもって、むしろお年寄りから学ぶぐらいの謙虚な気持ちで、仕事に向き合うほうがいいでしょう。
競争率の高い常勤募集では、だいたいが「あれば望ましい」としていますが、
そのうち3割ほどは「必須」となっています。
今後ますます福祉関連の職場では定着していきそうで、近い将来は介護職員になるための必須資格となることも考えられます。
とりあえず福祉施設で働き、資格を取得するのも一つの方法。
施設に採用されれば、介護経験を積みながら勉強する研修の機会が、必ず設けられています。やる気さえあれば、実力アップは可能です。
介護福祉士の資格を取るには
専門の養成学校へ
2年以上の養成学校(大学、短大、専門学校)を卒業すれば、卒業と同時に取得できます。
福祉系の大学で社会福祉に関する指定科目を修めて、卒業後、養成学校で1年以上学んでも同様です。
また、保育士養成学校の卒業者なら、介護福祉士養成学校で1年以上学べば取得できます。いずれも国家試験を受ける必要はありません。
3年以上の勤務で国家試験
学校に行かなくても国家試験を受ければ取得は可能です。
老人福祉施設などで、介護職員として3年以上働いた人ならば、受験できます。
職場の基礎知識
介護職員が活躍できる老人福祉施設や身体障害者更生援護施設には、さまざまな職種の人たちが配置されています。
特別養護老人ホームの場合は、施設長、医師、生活相談員、介護職員または看護士(准看護士)、栄養士、機能訓練指導員、調理員、事務員その他の職員を置くよう定められています。
このうち、介護職員と看護職員について、
「介護職員と看護職員の総数は、常勤換算で、入所者の数が3またはその端数を増すごとに1以上とすること」
(特別養護老人ホームの設備及び運営に関する基郵という基準が設けられており、つまり、入所者3人に対して最低1人の介護職員はたは看護職員)
が配置されるという決まりです。
しかし、これはあくまでも最低のライン。
入所する高齢者の心身状態により、もっと多く勤務している施設もあります。
ベテランの介助職員に聞いてみると、実情では、介助職員は不足ぎみ。設置基準の最低数では、なかなか十分なケアはむずかしいそうです。
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看護士:保健士
そもそも看護士といえば診療所や病院、保健士といえば同じく病院や保健所など特定の機関や医療現場で働くイメージが、すっかり定着していました。
1994(平成6)年に保健婦国家試験への男性の受験が認められ、看護士に続き保健士が誕生することになりました。
この法改正は、高齢化が進む福祉現場の要請にもこたえたものでした。
老人福祉施設の急増にともない、ただでさえ不足していた健康・衛生管理のプロの確保が急務になってきたからです。
社会福祉施設でのおもな仕事は、入所者や利用者の健康管理です。
看護士は、施設を利用する人たちの慢性、重度化した健康状態の変化を把握し、早期対応していかなくてはなりません。
たんに身体的な健康だけでなく、特に話し相手になったり、精神的な側面までフォローできる余裕も大切です。
利用者の健康管理という目的は同じですが、保健士の仕事は少し違います。家族の介護相談、サービス内容の調整、連絡などに比重がかかってきます。
いずれにせよ病院と大きく異なるのは、福祉施設は利用者が生活する場そのものということです。
利用者が安心でき、活気ある暮らしが送れるよう、ときには介護全般にもかかわっていきます。
介護職員や医師、理学療法士らとの情報交換も欠かせません。
施設におけるチームケアの要なのです。
老人福祉施設に勤務する看護婦・士の、ある1日の業務を紹介しましょう。
出勤するとまず夜勤者からの報告。
そして部屋を訪ね健康チェック、利用者からの相談、医師回診介助、通院の付き添い、薬の配布、最後に夜勤者への引き継ぎをして夕食介助。
このほかにも細かい業務がたくさんあります。
保健士の場合だと、その職場にもよりますが、訪問してのサービスがおもな仕事になってきます。
訪問の間に学習会や研修に参加。
そのほかのあき時間を利用して、相談者への支援プランを練ったりします。
社会福祉分野では不可欠の職業に老人福祉施設に2万人 看護婦・士の職場でいちばん多いのは、やはり病院と療養所です。
保健婦は保健所や市町村の保健センターになります。
それとともに最近は社会福祉分野への就職が目立ってきています。
まず看護士ですが、老人福祉施設にもっとも多く、常勤、非常勤合わせて2万人を超えます。
身体障害者更生援護施設と知的障害者援護施設ではともに1,800人前後ですから、いかに高齢者介護の現場で看護士の力が求められているのかが、うかがえます。
具体的には、特別養護老人ホームに、1万人を超える人が勤務しています。
特別養護老人ホームに入所するお年寄りは、虚弱や痴呆などで、常時介護を必要とする人たちです。
健康管理には、特に医師や看護婦・士の専門技術が必要になるのです。
施設の設置基準では、職員のなかでもっとも多い介護職員、二ばんめの調理員に次いで、大勢の配備が必要とされています。
訪問介護も急増
訪問看護サービスを提供するシステムが各地で整備されてきました。
このサービスのなかでは、相談の実務経験がある保健士の力が求められます。
看護士も訪問サービスに必要な人員ですが、看護士、保健士それぞれのもつ技術により役割は違っています。
たとえば、高齢者の介護相談に応じる在宅介護支援センターの業務は、原則2人ひと組で行うように定められています。
組み合わせの一つは、相談・調整を受け持つソーシャルワーカーと介護の具体的指導をする看護士。
もう一方が、保健士と介護福祉士です。
つまり保健士はサービスの相談・調整役、つまりコーディネーター役として、看護士は介護の実務指導役として配置されているのです。
介護保険制度導入にともない、ケアマネジャーとして活躍する看護士、保健士も出てきます。
さらに、在宅サービスセンターや、2000年をめどに全国5,000か所に整備目標のある訪問看護ステーションなど、
在宅介護支援を行うどの機関でも、看護士、保健士は欠くことのできない職種になります。
訪問看護ステーション
看護士、保健士の活躍の場として注目されるのが在宅療養へのサービスです。
訪問看護ステーションは、訪問看護サービスを提供する総合的なシステムとして1992年に創設されています。
サービスに従事するのは、看護士、准看護士、保健士など医療的ケアの担当スタッフ。
さらに、理学療法士・作業療法士といったリハビリ担当者です。
サービスの受付や調整も直接同ステーションが行います。ただし、利用するにはかかりつけの医師の診断が必要です。
医師が訪問看護の必要性ありと認めた人の家を訪ね、病状観察や洗髪、床ずれの処置、リハビリや食事、排泄の世話などをします。家族への介護アドバイスも大切です。
看護士の病院勤務は、ひところは3K職場などといわれ、きつい仕事の代表でしたが、次第に職場環境の見直しも進められてきています。
全体の比率をみてみると95万人ほどいる看護士のうち、約75%もが病院勤務です。
社会福祉施設は6%強、だいたい5万7,000人です。
さて、医療、福祉のどちらの方面に進むにせよ、看護士になるには、まず資格を取らなくてはいけません。
看護婦国家試験の合格率は毎年度98%前後という高水準です。
試験で問われるのは、仕事をするうえで最低必要な基礎学力。
養成学校で普通に学んでいれば、まず大丈夫でしょう。
試験は年に1回、毎年3月です。
保健士をめざす人は、看護士資格取得後さらに保健士養成学校へ進み、受験資格を得なければなりません。
保健士は全国に約3万1,000人います。
おもな職場である保健所(全国1,600か所)では、乳児検診や成人検診、健康相談など地域の健康や公衆衛生の管理を担当しています。
保健所は公的機関ですから、採用されるには、各自治体の公務員採用試験に合格する必要があります。
しかし、採用数はさほど多くありません。
福祉施設では日勤型
さて、特別養護老人ホームを例に、福祉施設での看護婦・士の職場環境をみてみましょう。
病院といちばん違うのは勤務体制です。
24時間体制の特別養護老人ホームであっても、緊急の事態を除けばだいたい日勤のところが多いようです。
在宅介護支援センターなどでも同様です。
厚生省の定める施設の設置基準では、定員規模50人の施設に最低2人の看護士が必要になります。
ちなみに介護職員は10人、医師は1人、生活相談員は1人です。
80人の施設では3人となっています。
給与水準ですが、各施設とも地方公務員なみをめざしてはいますが、厳しいようです。
参考までに、3年制短大卒で国立病院に勤務した場合の初任給は規定により19万円。
これよりいくらか低くなると思ったほうがいいでしょう。
施設利用者の年齢や、利用者がどのような障害をもっているかによって、求められる技術も変わってきます。
どこでも医療機関での経験が豊富で、即戦力になる人材を求める傾向が強いようです。
また、在宅者の相談に応じる在宅介護支援センターは、特別養護老人ホームに併設されていることが多いため、単独での募集はあまりありません。
こちらも相談業務ができるベテラン看護士、保健士が選ばれることがほとんどで、新卒の募集はごくわずかです。
就職・求人情報は、自治体広報やナースセンターで
福祉施設の求人情報がどう流れるのか、自治体が設立した社会福祉事業団運営の特別養護老人ホームにきいてみました。
まず求人は、自治体の広報に掲載するそうです。
ほかに公設のナースセンターなどにも人材の問い合わせをします。
民間が道営する福祉施設の場合でも、公設のナースセンターを通じて探すのが普通だということでした。
ナースセンターは登録制ですから、要請を受けると登録中の看護士のなかから適任者を推薦することになります。
医療機関で経験を積む
介護の現場全般にいえることですが、常に経験を積んだベテランの即戦力が求められるという事情があります。
おもな職場になっている特別養護老人ホームなどでは、慢性疾患をもつお年寄りが相手です。
コミュニーケションのとり方ひとつとっても、熟練の技術がいるのです。
また、医師が非常勤の施設も多く、その分責任も重く、頼られる存在です。
まず比較的就職しやすい医療機関で経験を積むのが、いちばん確実な方法だと思われます。
目標をもって、自分の技術を磨くところから始めましょう。
看護士として働く場合には、資格があることは絶対条件です。非常勤だとしても、この条件はまず変わりません。
在宅介護サービスの分野で、相談やコーディネートの仕事を希望するならいっそ保健婦・士をめざすのもいいでしょう。
資格を取るには
専門学校や短大で学ぶ
高校を卒業後、専門学校や短大などで3年以上学び、看護婦・士になるための必要科目を履修して、国家試験を受けます。
または大学の看護課程で4年以上学び、必要科目を履修しても、同様に国家試験が受けられます。
准看護婦士から看護士へ
中学卒業後、准看護学校か高校の衛生看護科に進み、都道府県が実施する試験を受けて准看護士になります。
さらに2年間(定時制は3年間)、看護学校で学べば、国家試験が受けられます。
看護婦士から保健婦士へ
保健婦国家試験は看護士賛格取得後、指定の学校で6か月以上、必要科目を学べば受験できます。
一部大学では卒業と同時に、看護士と保健士の国家試験受験資格を取得できます。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
ホームヘルパー
一般の人を対象に、保母(現在は保育士)や寮母といった介護にかかわる7つの職種について調査したあるアンケートがあります。
このうちで、ホームヘルパーは保母に次いで高い認知度がありました。
その一方で、仕事のなかみについては意外と誤解されています。
ただの「お手伝い」ぐらいにしか思わない人もずいぶんいます。
今後、ホームヘルパーが地域福祉を支える重要な担い手になることは、間違いありません。
国が進める福祉政策では、「在宅福祉サービス」の中心的な柱に据えられているのです。
介護と援助サービス提供
ホームヘルパーは、加齢とともに虚弱になったお年寄りや、心身や精神に障害があり、
日常生活を送るうえで支障をきたす障害者の自宅を訪問し、家事の援助や介護をします。
仕事は、大きく介護サービスと家事援助サービスに分けられます。
介護サービスとしては食事や入浴、トイレ、着替えなどの身体介護。なにかと本人や家族の日常の相談にのったりもします。
家族への介護技術の指導も大切な仕事です。
話し相手になって、介護する側のストレスを和らげるなど、精神的ケアもしています。
家事援助サービスとしては、掃除や調理、貫い物や洗濯などがあげられます。
地域とのつながりが維持できるような配慮も必要ですから、いっしょに地域行事に参加したりもします。
独り暮らしのお年寄りらが、自宅で安心して生活できるように、自在のためのサービスを安定的に供給していくことが、大きな日的なのです。
1日数世帯を訪問
ある常勤ホームヘルパーの1日の仕事ぶりです。
まず、事務所に出向き、その日に予定している訪問についての打ち合わせをします。
事業所の方針でシステムはばらばらですが、担当家庭がだいたい決まっているケースがほとんどです。
1〜2時間ぐらいをめやすに、1人1日、数世帯を訪問します。
これも、利用者が選択しているサービスメニューによって違ってきます。
交代勤務のあるところは、利用者の状況を正確に把握し、むらのない援助ができるように、介護記録の作成も重要になります。
申し送りで、交代する人に的確に状況を伝えなくてはなりません。
ホームヘルパーは、人材不足
ホームヘルプサービスは全国すべての市町村で実施されるようになりました。
ヘルパーの需要は高まるばかりです。
サービスを実施する形態には大きく分けて3つのタイプがあります。
一つめは、市町村が実施するホームヘルプサービスです。
二つめは民間の社会福祉法人や非営利団体によるホームヘルプサービスです。
具体的には社会福祉協議会や福祉公社、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センター、住民の自主的組織などです。
三つめは、参入が著しいシルバー産業によるホームヘルプサービスです。
特に、二つめの事業形態が目立って増えてきています。
最近では街の中でも、民間のヘルパー紹介所の看板を、よく目にするようになってきました。
ヘルパーは、こういった紹介所に登録して、派遣要請を受けてサービスの提供をしています。
東京都内で働くホームヘルパーの、ほとんどがこのタイプに入ります。
また、同じシルバー産業でも、正式に社員として採川され、訪問介護サービス業務にあたっている人たちもいます。
一、二のタイプでの採用はどうなのでしょう。
市町村の公務員ヘルパーとして採用されるのは、かなりむずかしい状況です。
ホームヘルプサービスが始まった当初は求人があったのですが、現在ではほとんど採用は行われていません。
活気あるシルバー産業
特別養護老人ホームや在宅介護支援センターで実施する、在宅介護サービスにおいても、ホームヘルパーとしての採用はあまり多くありません。
まれに募集があったとしても非常勤のほうが多いようです。
ホームヘルプサービスの内容は、各利用者の心身、家庭の事情、または実施機関の準備するメニューによりさまざまです。
これだけシルバー産業の参入が盛んですから、これからは激しい競争も予想されます。
経済的にみれば、活気があり可能性を秘めた市場であり、福祉の観点からみれば、地域社会で頼りにされるやりがいある職種なのです。
いずれにせよ、どこで働こうと利用者の生活の質を高め、不安のない在宅生活を送れるように援助していく目的だけは変わりません。
紹介所に人材登録
求人情報は専門誌などで どのようなところに就職可能なのかという、採用の形態については前ページで紹介したとおりです。
いま働いているホームヘルパーでもっとも多いのは、民間の事業体に人材登録して働いている人です。つまり非常勤採用です。
正社員雇用の道は、もちろん可能性としては考えられますが、そういう人はおもにリーダーとしてマネジメントに携わり、ほかの多くのホームヘルパーは、やはり登録による非常勤で働くことが多いでしょう。
実際に仕事を探すことになったら、ハローワーク、あるいは、市販の求人情報誌などで調べてみるのがいいでしょう。
事業所の大小を問わず、さまざまな情報が寄せられています。
地域の活動としてホームヘルプに携わりたいと希望するなら、特別養護老人ホームや社会福祉協議会、福祉公社、社会福祉事業団、各都道府県の福祉人材センターに問い合わせてみてください。
実際、紹介所に登録して働く場合の給与形態ですが、一般の派遣事業と同じで時給制になります。
給与水準も900円から1,400円ぐらいまで、ずいぶん開きがあります。
仕事の内容としては「介護サービス」と「家事援助サービス」があることは、すでに紹介しましたが、提供できるサービスが、介護中心か家事中心かが一つの目安になります。
専門技術が要求される介護中心であれば、その分時給も高くなります。
もちろん、両方必要な場合も出てきます。
時間帯によって残業や特殊勤務手当がある場合もありますし、このあたりの給与計算は、まったく事業所独自の規定になります。
紹介所に登録して働く場合、現在の水準では生業にできるほど賃金が高くないという問題があります。
また、介護保険の適用を受けるサービスを担う場合、時間によって保険から得られる金額が決まりますから、コスト意識の求められる職業にもなりそうです。
そんな環境でも、仕事の魅力は大きいと、強いやりがいを感じている人たちによって、在宅介護サービスは支えられています。
介護サービスのメニュー
介護サービスのメニューは実施機関ごとでさまざまですが、ホームヘルパーのかかわり方としては、「滞在型」と「巡回型」と2つのパターンがあります。
滞在型は1回の滞在時間が2時間から3時間ほど。
その間に食事の用意や洗濯、通院の介助、買い物など家事援助中心のサービスをします。
一方、ほぼ介助に限定したサービスが「巡回型」です。
家族の介護負担を助けるねらいなどで、1995年から始まったサービスシステムです。
1回の時間は約15分程度ですから、トイレや寝たきりの人の体位交換などを効率よくこなさなくてはなりません。
深夜も含め24時間のうち、1日約5回、365日休むことなく巡回します。
たかが15分ですが、待っているお年寄りにはうれしい訪問です。
深夜の訪問の場合は家の鍵を預かることもあります。
信頼されてこそ、できる仕事なのです。
介護の仕事は、だれでもできるようにみえますが、実はそう簡単ではありません。
高齢者介護に携わる職業の重要性が社会的にも認識されてくると、必要に応じて資格も細かく整備されるようになってきました。
介護福祉士国家資格、ホームヘルパー3〜1級の養成研修、介護アテンドサービス士です。
養成研修は、厚生省で定めた「ホームヘルパー養成研修事業」の実施要綱に従って、自治体や民間団体が実施しています。
昼間のコースのほか夜間、土日コースもありますので、各都道府県の高齢者福祉の窓口や福祉人材開発センターなどに問い合わせてみてください。
コースは入門の3級から用意されていますが、「資格」として認められるのは、だいたい2級から上です。
ホームヘルパーという呼称は実は養成研修を修了しないと名乗れません。常勤で働こうと望む場合は特に、ヘルパーの2級は受けておきましょう。
概要は次のとおり。
2級
ホームヘルパーの養成を行う基本研修、130時間の受講(3級課程修了者は104時間)
1級
チーム運営方式の主任ヘルパーなど基幹的人材の養成をする研修、230時間の受講。
2級のカリキュラムを紹介します。
大きく講義、実技講習、実習に分かれます。
講義は「介護に関する知識と方法」、「家事援助に関する知識と方法」など8科目58時間です。
実技講習は「基本介護技術」など4科目42時間。
実習は「ホームヘルプサービス同行訪問」など3科目30時間です。
介護アテンドサービス士
介護現場での技術向上をめざし1990年から始まった介護アテンドサービス士についてもふれておきましょう。
労働省認定の資格で、学科と実技で構成されています。
受験資格は、介護サービス業務について6ヶ月以上の経験があり、介護労働安定センターが実施している介護労働者講習の必要コース修了者。
6ヶ月以上の実務経験がある、ホームヘルパー養成研修の2級課程以上の修了者も受験できます。
現役で介護サービス分野で働く家政婦や、寮母らが挑戦しています。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
作業指導員:職業指導員
身体障害や知的障害があって、障害のない人たちと同じようには就職ができない人たちがいます。
作業指導員、職業指導員は、そういう人たちに技術を身につけてもらい、自立した生活ができるように手助けします。
潜在的にもっている能力を引き出す仕事、といったほうがわかりやすいでしょう。
技術指導はそのための、一つの手段であると考えてください。
もちろん、それには障害者一人ひとりへの理解が必要になってきます。
生活全般にかかわり、相手の立場を尊重したうえで、いっしょになって自立の方法を模索していくのです。
作業指導員と職業指導員という二つのよび方ですが、たんなる制度上の区別でしかありません。
国が定めた施設の設置基準によるもので、ここで定められた必要な配置人員の名称が、作業指導員だったり職業指導員だったりするわけです。
実際の仕事内容や待遇ではたいした差はなく、施設では、どちらも作業指導員とよばれることが一般的なようです。
作業指導員の仕事は、利用者の障害の種類や度合い、施設が実践している作業種目によって違ってきます。
作業種目で多いのは木工や陶芸、農作業などです。
しかし作業の差こそあれ、施設内外の作業療法士や医師、生活指導員らと連絡をとりながら、利用者一人ひとりの適性を見極めていくという役割は、どこでも共通しています。
最終的には利用者が社会人として生活できることが目標です。
労働管理や販売開拓も仕事のうち
もう一つ大切な仕事があります。
施設運営に携わる経営的なかかわり方です。
まず、一般企業と同じく、現場の生産と労働の管理が必要になってきます。
利用者が慣れない作業で事故を起さぬように、常に職場の安全に注意をはらいます。
作業自体の企画や作業工程のプログラム、さらには即売会のようなイベントや製品の販売ルートの開拓、事務手続きなどもこなしていかなくてはいけません。
福祉的な要素と、企業活動的な要素の双方に携わるむずかしさはありますが、その分やりがいも大きい仕事です。
活躍の場
心身に障害をもつ人たちが利用する、さまざまな施設で働いています。
1997年10月現在、全国の社会福祉施設で働く作業指導員の数は1万6,558人います。
作業指導員が圧倒的に多いのは、知的障害者援護施設の1万2,000人です。
全体のほぼ3分の2にもなります。
なかでも、知的障害者更生施設(入所、適所)と知的障害者授産施設(入所・適所)の4タイプの施設に集中しています。
知的障害者更生施設とは、18歳以上の知的障害をもった人を入所させ、社会復帰や自活のための訓練を行う施設です。
当初はわりと軽度の障害者を対象にしていましたが、1968年に「重度棟」を設けて以来、比較的重度者の割合が増えてきています。
これに対し、知的障害者授産施設の利用者は、日常生活がおおむね自分で行え、筒単な作業ができる人たちです。
ですから授産施設のほうが、利用者の就労の道を開くという目的をより強く打ち出しています。
施設内に作業施設を設け、そこでの作業に対し 一定賃金が支払われています。
入所者に生活の場のみでなく、労働の場をも提供しているのです。
このほか、全国に大小あわせて4,500か所を超える共同作業所もあります。
入所者の能力を高める援助以外にも、福祉事務所や家族との連絡業務も行っています。
家庭と施設の両輪で支援を進めていけるように、保護者との協力関係をうまく築くことも大切です。
知的障害者援護施設に次いで働く人が多いのが、身体障害者援護施設ですが、その数はわずか280人ほどです。
ほかには、保護施設や精神障害者社会復帰施設、老人福祉施設などがあります。
利用者の生活全般にかかわる作業指導員の業務は、生活指導員とかなり重複します。
そのため、作業指導員が単独で募集されることはまずなく、欠員が出た時点で生活指導員とあわせて募集されます。
いまのところ作業指導員になるための特別な資格はありません。
が、施設が個別に行う募集のなかでは、作業所の業務に対する専門的な経験や知識や運転免許の取得が必須となる場合があります。
特に運転免許は、多くの施設で採用の必要条件にあげられています。
専門技術のほうは、陶芸や農業、園芸、木工芸など施設によりさまざまです。
厚生次官の通達では「指導する業務について相当の経験及び技能を有する者」、「高卒後専門学歴を含め2年以上の実務経験」などと定めています。
しかし、これは厳格な条件ではなく、技術程度は施設の事情によりいろいろです。
現在すでに、作業指導員として働いている人たちのなかには、教員免許取得者が約3割もいます。
社会福祉主事任用条については、現役の作業指導員の2割以上の人が満たしています。
いずれにせよ障害の重度化が進み、現場ではより専門的な技術が要求されるようになってきていますので、資格の有無が重要視されるようになってくるでしょう。
現役の作業指導員にきいてみると、社会福祉士や精神保健福祉士などは、これからの採用の際には有効な資格になっていくだろう、ということでした。
勤務体制は、適所施設だとだいたい日勤型。午前8時から午後5時までで、夜勤はありません。
日曜、祝日と指定された土曜日は休みです。入所施設だと、夜勤もあって、4交代制の勤務になります。
1か月に4回から6回の夜勤があります。
収入に関しては、資格が問われない分だけ、専門性を認められず、給料もあまり高くないというのが現司も東京都の民間施設の多くは、都職員の給与水準にそっていますので、
大卒の新規就職者で約18万7,000円。
これを若干下回るところもありますが、大きな差はありません。
また、共同作業所など法人化されていない場合、県や市の補助金が少なく、人件費にかけられる割合が厳しくなっています。
それゆえ、法人施設との合併などをめざす動きもあります。
現状では社会保険、厚生年金への加入もむずかしい状態のところもあります。
福利厚生面では、法人施設に比べて不利な条件が多くなるでしょう。
作業指導員の人たちから必ず聞く言葉があります。
「辛抱」です。
そう、とにかく辛抱が必要な仕事です。
いいかえれば、気長に温かく施設利用者の成長を見守っていかなくてはいけません。
同じ場所で作業する人でも、障害の程度や年齢など、取り巻く環境がみな違います。
どういう援助をして、意欲を引き出していくかがむずかしいところです。
家族や担当医師などと相談しながら、手探り状態で個々の適性を探っていきます。
たとえば、作業中にかんしゃくを起こす適所者がいたとします。
まず、事故が起こらないように、気を静めてその場を処理しなくてはいけません。が、現場の処理だけでは、作業指導員の什事は終わりません。
これを克服しなければ、技術は先に進んでいかないのです。
しかし、問題行動が病気なのか、それとも本人の甘えなのかを見極めることは容易にはできません。
時間をかけて、何度も壁にぶつかり、問題の根を一つひとつ抜いていくのです。
また、就職先の開拓なども思うようには進みません。
施設長などといっしょに企業を訪問しても、なかなかいい返事をもらえません。
特に一般企業への就職は、身体障害者雇用に比べて、知的障害者はだいぶ不利な立場にあります。
それだけに、利用者の自立が見えてきたときの喜びは、はかりしれないといいます。
数々の「辛抱」を支えるのは、このときの喜びなのです。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
介護の職場の勤務形態
代表的な勤務形態には、「日勤型」「宿直型」「夜勤型」の3つがあります。
「日勤型」:大半の相談機関や適所型施設の勤務形態。
通所型の身体障害者授産施設の指導員や保育所の保育士などがこのタイプです。
勤務は通常、朝から夕方までの8時間で、施設の休日、約束した日などが休みです。
「宿直型」:入所型の施設の職員の勤務形態。
朝から夕方までの8時間の「平常勤務」に、早番、遅番、宿直か週1回程度まわってきます。休日は交代制。
「夜勤型」:24時間介護や養護が必要な人が入所している施設の職員の勤務形態。
特別養護老人ホームの介護職や乳児院の保育士、身体障害者・知的障害者施設の指導員などがこれにあたります。
給与については、職場や職種によって格差はありますが、多くの民間福祉施設は、公務員の給与に準じています。
ただし、中途採用者に関しては、年齢や前職歴などにより初任給は違ってきます。
民間の福祉施設の場合、職員の募集があるのは、現在在籍している職員が退職して欠員が出る、施設の新設、事業拡大にともなう増員がある、
の2つのいずれかの理由が生じた場合に限られます。
したがって、一般企業のような「定期採用」はほどんどありません。
職員の募集に関する情報は、各都道府県の福祉人材センター、新聞広告(折り込み広告も含む)、その施設がある市町村広報紙などで得ることができます。
福祉人材センターでは、福祉関係の就職に関するあらゆる相談にも応じてくれるので、一度足を運んでみるのもいいでしょう。
人相手の仕事だからこその、精神的なきつさもあると心しておきましょう。
そのうえで、どういう仕事が自分に合いそうか考えてみるといいでしょう。
たとえば、利用者の年齢は上の人がいいか、自分よりうんと小さい子のほうが親しめるか。
また、心身に障害をもつ人とはどうかなど。ともに働くスタッフのことも忘れてはなりません。
一人でするのではなく、ほかの多くの専門職と協力してしていく仕事です。
場合によっては、あなたがだれかに指示を出す立場になるかもしれません。その逆もあるでしょう。
施設や機関により働く専門職はさまざまです。
仕事は職場の人間関係によってもやりがいが遣ってくることを考えましょう。
たとえば「介護福祉士」のように、介護職への就職に有利な資格も確かにあります。
しかし、資格を取得するためには養成学校*に入学し、課程を修了後、国家試験を受けなければならない資格が多くあります。
資格取得にかかる学費や年数を考慮すると、むやみに資格取得にはしるのは考えものです。
職員選考では資格、年齢、経歴なども条件ではありますが、最終的には人物、適性の評価が大きなウエイトを占めることも知っておいてほしいこと。
資格取得をめざすなら、つきたい職種・分野にとって適切な資格は何なのか、
さらに資格を取得した場合の就職状況はどうなのかなどをよく調べたうえで、養成学校への入学を検討することが望ましいでしょう。
「ケア・福祉のしごと」は、「やりがい」のある仕事である反面、責任の重い仕事でもあります。
自分の生き方や目標、将来設計などをよく考えたうえで、もっともふさわしい職場を選びましょう。
カテゴリー:介護にかかわる仕事
生活相談員:生活指導員
実際に、家族が老人福祉施設などでお世話になった経験がある人なら、すぐに「生活相談員」の業務を想像できるかもしれません。
利用者にとっては、介護職員と並んでもっとも身近な存在だからです。
生活相談員は、老人福祉施設などを利用する人たちへの相談窓日ともいえる重要な業務を預かっています。
少し職名についてふれておきます。
介護保険法の制定を契機に、高齢者が利用する福祉施設では、従来の「生活指導員」から「生活相談員」に改められました。
その仕事は、高齢者の施設と障害者の施設で働く場合とでは、大きく異なってきます。
ここでは、前者を「生活相談員」、後者を「生活指導員」とそれぞれ分けてよぶことにします。
老人福祉施設での、仕事は実に多方面にわたります。
利用者の入所から退所までのあらゆる手続きにかかわります。
利用者とは一生のつきあいになるのです。通夜や葬式への参列も仕事のうちです。
生活相談員は、新規利用申し込み者があれば、ただちに家庭を訪問し、事務手続きも含め入所決定までの調整作業に入ります。
それぞれの心身や家庭の実情に応じた援助計画を示し、相談にこたえる一方で、施設が提供できるサービスの内容や実情などについても、あらかじめ理解してもらえるように努めます。
施設内では、巡回が日課です。
入所者の状況把握や介護職員との情報交換も大切です。
また行政サイドである福祉事務所、医療サイドの病院など各協力機関との連携をはかる橋渡し役もします。
知的障害者援護施設で働く生活指導員は、入所者の日常生活にかかわる生活介助や支援が仕事の中心になります。
食事やトイレ、着衣、入浴などを手助けしながら、日常の生活習慣が身につくように支援していきます。
寮母の仕事と大きく違うところは、本人の能力を少しでも引き出して、自立した生活をしていけるように、施設内での作業指導なども担当していくことです。
そのほかには、行事計画や入所者の家族との連絡も欠かせません。
知的障害者援護施設が最多
生活相談員、生活指導員が活躍している職場は、大きく分ければ、高齢者のための施設と障害者のための施設です。
では実際にどのような施設にどのくらいの人が働いているのか、もう少し細かくみてみましょう。
もっとも多く働いている施設は、知的障害者援護施設。専任の職員が約2万5,000人働いています。
知的障害者援護施設とは、7タイプに分かれる知的障害者のための施設の総称です。
このなかでも、入所型の知的障害者更生施設には、最多の1万9,000人ほどが働いています。
以下、適所型の知的障害者援護施設、知的障害者授産施設などがあります。
知的障害者援護施設に次いで多いのが、老人福祉施設。約1万3,500人が勤務しています。
その4割弱にあたる約5,000人は特別養護老人ホームで働いています。
ほかに老人デイサービスセンター、養護老人ホームなど。
さきほどは、高齢者の施設と障害者の施設に分けて、仕事の内容を紹介しましたが、この項であげた施設を見回しただけでも仕事の内容はずいぶん違ってきます。
実際に仕事を探す際には、職名だけで判断せず、各施設の性格などを十分に自分で調べてみたほうがいいでしょう。
現代社会では、「高齢者の介護は地域社会全体で」という考えが定着しつつあり、介護にかかわる職種の求人はどこでも伸びていますが、生活相談員はどうなのでしょう。
まず、施設内での生活相談員の人数を介護職員と比べてみると、かなり少ないことに気がつきます。
直接介護に携わることより相談援助の仕事が主業務の生活相談員の枠は、もともと少ないのです。
施設の規模により、開きはありますが、だいたい1施設に1〜3人程度。
特別養護老人ホームの場合、100人の利用者に対し、配置が義務づけられる生活相談員の数は1人です。
今後とも、急激な求人増は見込めませんが、少しずつ需要は増してきています。
まず、老人福祉施設の生活相談員をめざす場合、特別に必要な資格はありません。
一応の規定としては、社会福祉主事の任用条件を満たすことが求められています。
今後は社会福祉士資格(または受験資格)をもっていることが採用条件になっていくでしょう。
また、送迎業務のための普通自動車免許を求められることもあります。
いずれにせよ、施設のニーズによって、細かく条件が変わってきます。
新規卒業者の採用は、まったくないわけではありませんが、かなり少ないと思ってください。
かりに、採用されたとしてもいきなり現場を任されることはなく、事務仕事やベテラン相談員の補佐からのスタートになります。
実際に、施設で欠員が出たり、新たな施設を立ち上げるときには、介護職の仕事や実務に精通した介護職員や社会福祉士などから、適任者が選ばれる場合が多いようです。
勤務形態はほぼ日勤です。
老人福祉施設における採用時の基本給は、だいたい社会福祉主事任用条件を満たしているか介護福祉士資格をもつ介護職員に相当する額です。
この条件で、東京都内の民間施設の平均給与をみてみると、短大卒の20歳で、16万700円です。
採用枠大きくても難関
障害者のための施設のほうは、老人福祉施設に比べ、採用の幅はやや広がります。
施設での作業指導も含め、利用者に対して、生活全般にわたる直接の支援がおもになるからです。
しかし、採用人数が多いからといって、新規卒業者にとっては難問であることは、こちらも変わりません。
決まって必要な資格はありませんが、知的障害者更生施設の場合、生活指導員には特別に任用の条件が定められています。
この任用条件は、大学で心理学、教育学、社会学を履修しているか、高校を卒業し、知的障害者のための施設で2年以上の実務経験を積んだ人であれば、満たすことができます。
仕事の性質上、小・中・高校の教員免許取得者も任用条件を満たしているとみなす施設もけっこうあります。
また、介護福祉士資格があれば望ましいとする求人も見かけます。
生活相談員の仕事の内容は、だいたいわかったことでしょう。
ならば、ここで、どうして自分がこの仕事につきたいのかもう一度考えてみてください。
繰り返しいうようですが、今後とも活躍のフィールドが広がっていきそうな老人福祉施設などでは、特に人と人、組織と組織をつなぐ調整能力が問われます。
他人に、わかりやすく施設の概要を説明して同意してもらう。
あるいは、利用者個別への、福祉サービスのコーディネートを手がける。
これらの仕事を円滑にこなしていくには、あいさつや返事、態度といった一般的な常識が、確実に身についていることが大前提です。
加えて、豊かな介護に関する知識が求められるのです。
資格以上に社会経験が重視されます。
そこで、卒業後の目標をすでに生活相談員になることに置かず、まず高齢者介護に携わる仕事につきたい、と考えてみたらどうでしょう。
自分のめざす職業を、大きく「福祉の仕事の一環」としてとらえてみることも必要です。
第一目標として、介護の現実について 勉強できるもっとも身近な職業を選択し、そこで実務を覚えながら、必要な資格を取得し勉強を重ねるのです。
それには、介護職員などが最適だと思います。
もちろん新卒採用をめざすことも一つの道ですが、じっくり経験を積むことも、けっして回り道ではありません。
地域の利用者にとって、信頼のおける相談者になるにはどうしたらいいか。そこから仕事探しを始めてみましょう。
カテゴリー:介護にかかわる仕事

