児童生活支援員
子どもの行動や家庭環境になんらかの問題がある場合、18歳未満ならば児童自立支援施設に入所することがあります。
児童生活支援員は、そうした子どもたちと施設で暮らし、生活指導をします。
以前は教母というよび名で、教護(現在の児童自立支援専門員)の妻がこの仕事についていたことが多かったのです。
入所している子どもの多くが、家庭になんらかのトラブルを抱えており、家族の団らんの楽しさなど知らずに育ったケースもあります。
そこで、児童生活支援員はたんに子どもの監視役として生活指導を行うのではなく、施設の生活をできるだけふつうの家庭に近づけるようにします。
いわば、母親代わりといった役目もあるのです。
子どもの相談にのってやったり、あるいは再び非行にはしりそうなときは厳しく接するなど、その場に応じて対応します。
そこで、更生に向けて努力する子どもたちにとっては、心の支えとなる存在なのです。
最終的には、一人前の社会人として送り出すことが目的ですから、集団生活を通して、協調性を育て社会規範を教えることも重要な役目です。
児童自立支援施設は、児童相談所や家庭裁判所の決定によって送られたきた子どもたちが生活するところです。
従来は、窃盗や傷害、恐喝など不良行為を犯した、あるいはそのおそれがある18歳未満の子どもがおもでしたが、
1998年に児童福祉法が改正され、家庭環境、たとえば保護者の養育放棄、または行方不明などで、生活指導を必要とする子どもも入所の対象となりました。
この施設はあくまで、子どもたちの更生、自立を目的としており、懲罰を課したり、心理的な矯正を行うところではありません。
したがって、少年院とは異なり、小集団で生活を送り、家族的な雰囲気の中、子どもの情緒の安定をはかります。
以前は、国内の約3分の2近い施設において、教護(現在の児童自立支援専門員)と教母が子どもたちと生活していました。
しかし、近年は職員が交替で勤務する施設が増えており、ようすが変わりつつあります。
現在、全国に児童生活支援員は約330人配置されています。
都道府県立、指定都市立の児童自立支援施設は55か所ありますが、就職するには各自治体が行う採用試験を受けることになります。
一方、私立は社会福祉法人が経営しており、北海道と横浜にあります。採用については、欠員が出たら募集する形で、独自に採用試験を行っています。
給与は、公立の場合は公務員給与規定にもとづき、超過勤務手当や特別勤務手当が加算されるケースが多いようです。
一方私立は、学歴、勤務年数などで決定されますが、国家公務員の一般職の給与をベースにしています。
定員割れの施設もあり就職難
ここ数年、少年犯罪がますます凶悪化して、その件数も増加しています。
即座に厳罰をもって裁くより、未来に向けて更生の道を助けたいもの。
家庭の教育機能がうまく働かない場合、あるいは社会全体の責任として、児童自立支援施設のようなところが果たす役割は大きいのです。
しかし、少子化の傾向から、児童自立支援施設の入所者数は減少しつつあり、定員の4割を切るといった現状です。
したがって、今後、児童生活支援員の採用枠が増えることはあまり見込めそうにありません。
保育士資格はほぼ任用条件そのもの
児童生活支援員の任用の条件は下に示したとおりです。2項あって、最初に示されているのが保育士資格です。
保育士の資格があれば、迷わず採用試験にチャレンジできるわけです。
不安を抱える子どもに対して、家庭的な環境を与えるという仕事の内容からいっても、保育士資格がいちばんふさわしい資格といえるでしょう。
教員免許も、児童生活支援員に望ましい資格です。
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