母子指導員
離婚や死別などで配偶者のいない母子世帯が、経済的に困窮して一時的に施設に入って暮らすことになった場合、そこで母子の生活全般にわたりサポートするのが母子指導員です。
女性たちが抱えている問題は複雑です。
未婚のまま出産したり、暴力的な前夫から逃れて居場所を隠しているケースもあります。
また母親自身が精神的に不安定だったり、アルコールや薬物依存で子どもの養育がむずかしいこともあります。
母子指導員は母子の置かれた状況を的確に把握し、将来の自立のために指導・援助します。
具体的には、女性が収入を得られるように就職先を探したり、養育費などをめぐって前夫との関係を調整することもあります。
また、子どもの進学相談にものります。
さらに、子どもが20歳になれば退所しなければならないので、住宅を探すといったこともします。
このように母子指導員は、母子の将来のために生活の基盤づくりを助ける重要な仕事なのです。
母子世帯の生活の場、児童館などで代表は母子生活支援施設
以前は母子寮というよび方をしていました。
この施設は児童福祉法にもとづくもので、入所の対象となるのは18歳未満の子どもをもつ母子世帯となっています。
施設内は、児童福祉施設最低基準により1世帯に1室以上の母子室が提供されるほか集会室や学習室などがあります。
また付近に保育所などがない場合、保育所に準じた施設を設けることなども規定されています。
国内には302の施設があり、公立・私立の内訳はほぼ半々です。
施設で働く職員数は約2,000人で、母子指導員は約500人います。
そのほかに少年指導員(事務員)、保育士、調理員などが働いています。
母子指導員については、定員20世帯未満の施設で1名、20世帯以上は2名が配置されます。
施設の性格上、勤務は宿直、夜勤などもあります。
似た機能をもつ民間機関もある一方、母子生活支援施設とは少しタイプが違いますが、民間(NGOなど)が運営するシェルターがあります。
これは暴力をふるう夫などから逃れてきた女性や子どもが一時的に身を隠すところです。
ここで母子のめんどうをみるスタッフの仕事内容は母子指導員に近いといえます。
なお、母子指導員になれる条件を満たしていれば、児童館や地域子育て支援センターで遊びや催しを企画する職員として働くこともできます。
母子指導員になりたい場合は、いくつかある条件の一つを満たしていなければなりません。
公立の施設を希望する場合は、まず自治体が実施する地方公務員の試験に合格します。
自治体によって福祉専門職、または一般行政職で毎年募集します。
ただし、公務員の場合は母子指導員の仕事を希望したとしても、そこに配属されると決まったわけではありません。
私立においても、採用はあまり多くなく、欠員が出れば募集するといったところがほとんどです。
施設そのものが減ってきています。
離婚が増えている現在、母子指導員のような仕事に対する社会のニーズはありますが、
今後は施設でのケアよりもっと個別に対応する援助に変わっていくと思われます。
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